2009年5月19日火曜日

回外(supination)と回内(pronation)

よくスクールで回外と回内って聞くけど、実はわかった振りして頷いているだけでした。

いわゆる回外運動、回内運動に注目して調べてみた。

腕の回外、回内運動とは
前へならえの姿勢をとり、両手の手のひらを向かい合わせにした状態で
回外運動とは:手のひらを上に向ける回転方向の腕の運動をいう
回内運動とは:手のひらを下に向ける回転方向の腕の運動をいう


下記動画の(2:08)に回外運動(supination)と回内運動(pronation)がスイングに組み合わされているという説明がある


体の後ろのスイングでは回外運動が使われ
体の前のスイングでは回内運動をしている

ふんふんなるほど。

ソフトボールもバドミントンも野球もテニスも
この回外動作→回内動作への転換を使ってパワーを出す。

ソフトボールのピッチングでは腰のブラッシング時点で回外動作→回内動作への転換がある
この回外→回内動作への転換の後、腕先での力が最大となる。
腕全体での回外運動、回内運動は統制がとられているべきで、肘が曲がりすぎていたりすると
回外運動、回内運動が腕の各パーツごとの運動に分断されてしまい、結果接合部である肘、手首に負担がかかる。

テニスの場合も回外運動から回内運動への転換後にインパクトを持ってくるべきあり、
回外運動の途中でインパクトを持ってきてしまうのは早すぎ。
回外運動中にインパクトを迎える場合、ボールの重さごと回外→回内転換点を迎える為、肘への負担が大きい。
体の後面で回外運動は完全に終了して、体の前面では回内運動に移行しているべきである

この点気をつけて前記事のRoddickDjokovicを見てみると、回外運動が終了し回内運動になってからインパクトを迎えている。

野球のピッチングも回外運動(supination)と回内運動(pronation)の組み合わせとなっている

(0:44)付近が回外運動と回内運動の転換で以前が回外運動、以降が回内運動
回外運動と回内運動の転換はちょうど肘が肩を追い越す境界付近になっている。
体の後面での回外運動、
体の前面での回内運動が基本のようだ。


昔は鞭の様にいわゆる手首でのスナップを利かせるべき
と言われていたが、
現代では腕の回転を伴って力を伝える方法に進化したのだ。
縦方向のいわゆる手首のスナップは必要ない。

腕先でスイングスピードが速くなることは運動量保存則(MV=mv)で説明できる。
質量の大きい肩側(体側)で出来たゆっくりした運動(MV)は
質量の小さい腕先で高速運動(mv)に変わる。
具体的には肩側で起こした回外運動を回内運動に変えることで
腕の回転軸に沿って波が起きる。
この波が腕先まで伝わる 。
結果、質量の小さい腕先のラケットのスイングスピードは高速になる。

「なぜ、回外、回内を組み合わせるのか?
回外または回内だけでもいいんじゃないの?」
という疑問については

「波としてエネルギーを伝えるからには波を作らなければならない。」
つまり回内運動だけではただ回転しているだけで振幅も波長もないため、
肩で起こした回転が腕先まで伝わるが、腕全体が剛体としてただ回るだけで
質点(体側)から質点(腕先)への効率的なエネルギーの伝達は出来ていない。
体側で起こした力を効率的に腕先に伝えるには、波として凝縮させる必要がある。

鞭の場合、鞭をグッと振り上げ、そして振り下ろす動作で波ができる。
テニスの場合は鞭を振り上げる動作が回外運動、鞭を振り下ろす動作が回内運動に値する。
まわし続けているだけでは肩から肘へ効率的にエネルギーが伝わることはなく、
まわした回転を止めるなり、反転させるなりして波を起こす必要がある。

体の後面で回外運動を使って鞭を振り上げて
体の前面で回内運動を使って(回外運動を止めて)鞭を振り下ろす。

テニス等では鞭の運動のエネルギー伝播の考え方が
回転運動を伴う形で適応されていることがわかった。

5/25追記
①腰 回外→回内
②肩甲骨  閉じる→開く
③上腕 回外→回内
④前腕 回外→回内
というように①→④という順番で力を伝達する。
ストロークでテイクバックが小さかったり、テイクバックで静止状態をKEEPしてしまうと
上記のとくに①②の回外動作がキャンセルされてしまう。
その後の動作で大きく振っても③④の回外動作のみしか力の伝達源がないため
球の重みが相対的に小さくなる。

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